「故三島康之・早苗ご夫妻に捧げる」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　永田　守末

　それはあまりにも大ショックで突然な事であった。朝刊社会面の
小記事で知ったが信じられなかった。間違いであって欲しいと祈り
ながら、ご夫妻のマンションヘ飛んで行った。
　親戚の方々が見えていたが要領を得ず、真相を知りたくて
警察署にも行ったが、目撃情報少なくはっきりしなかった。気は
もやもやのまま通夜そして葬式に臨んだ。お二人の死は
日本盲人マラソンにとって大損失であった。が、何故三島さん
ご夫妻だったんだろう神も仏も無いのかと恨んだりした。そして何も
出来なかった自分の無力さに空しさと悔しさが残った。
　思えば三島さんご夫妻との出会いは、私が停年退職した
１９８８年頃ＫＢＭＡ〈関西盲人マラソン協会）に伴走者として登録、
長居公園での練習会であった。伴走の未熟な私を指導してもらった。
　康之さんは寡黙でいつも一人で走られたが、早苗さんとは練習会や
レースで伴走さしてもらいながら教えられた。忘れられないレースは、
’９１年２月１８日新体連ハーフマラソン１゜４９′５０″
自己新記録と喜んでもらった時だった。
　又’９９阿蘇カルデラスーパーマラソン前のトレーニングは、
長居公園（２．８１３Ｋｍ）５周−５Km→大泉緑地公園
（３．０２８Ｋｍ〉１０周−５Km→長居公園５周の約６８Ｋｍを、
阿蘇では先輩の私がノウハウを伝えたりお喋りしながら楽しく
走った事が懐かしく思い出される。
　晩年ご夫妻は長居公園を仲良く走られていた姿が今でも目に
焼きついている。
　私はわーわーずの、灯を消さないよう維持するのが努めと思って
います。どうか見守ってください。　　　　　　　　　　　合　掌
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　永田　守末

本文終わり